昨年の11月にパシフィコ横浜で楽器フェアが開催されましたが、ドイツでは毎年3月から4月にかけての4日間でFrankfurt Musikmesse「楽器見本市」が開催されています。
メッセMesseというのは直訳すると「見本市」で、ある業界のいろいろな企業が、自社の製品を見せるために集まり、取引の商談、製品の情報交換など様々なことに利用されています。ドイツでは年間100を超える国際見本市が各地で開かれているそうです。
メッセにはもう一つ「ミサ」という訳もあり、私はメッセと聞くと、大学時代に一人旅をした時、「来週ミュンヘンで大きいメッセがあるから宿代が高くなっている」と聞きつけ、急いでミュンヘンを訪れ教会の周りをうろうろしたことを思い出します。「ドイツはホントにミサに来る人が多いのだなあ」と。
私は今までに二度フランクフルトのムジークメッセへ行きました。一度目は見学、二度目は出展企業の社員として。関係者に聞くと、年々楽器業界は縮小傾向にあり、展示建物の空いているスペースが増えてきたと言います。私個人としては、会場内をバスを使って移動するのに驚き、ビールを飲みつつ商談をしているのにもドイツらしさを感じ、すべてが興味深かった記憶があります。今年は、私は行きませんが、同僚で行く人がいるので、結果報告を楽しみにしています。
楽器を展示しているムジークメッセの会場はとにかく人が多く、ものすごい量の音があふれています。それは騒音と言っても過言ではないほどです。楽器好きの人、腕自慢の人、新製品をチェックしようとする人などさまざまで、あちこちで音楽がまざりあった音が鳴っています。ピアノ展示スペースは、ピアノサロンと呼ばれ、他の電子楽器、打楽器展示場と比べると格段に静かですが、それでもブギウギをフォルテで弾きまくり、急きょ競演がはじまり、その白熱の演奏でとてもじっくりピアノを弾き比べられる状況ではないです。最近ではメッセ期間中に会場の他に場所を借りて、お客さんを別に呼ぶ企業も増えています。会場からさらに別会場にも来ていただけるということは、それだけ興味や購入などの見込みが高いわけですから、企業として経費はかかるがそれに見合うものがあるのかもしれません。一般の方には、一種お祭りのような場所ですが、企業にとってはその年の業界の状況を把握する大切な機会です。
最近のムジークメッセはやはり中国勢力のすごさを感じます。ピアノにおいても半分近くは中国なのでは?と思えるほどです。製品の質はピンキリで、かなりイイ線いっているメーカーもあれば、「調整ってなんですか?」と店員が聞いてくるところもあります。まあかつての日本のメーカーも同じような状況で、そのうちに淘汰されていくと思いますが、日本のように上位3社でほぼ100%を占めるというような状況にはなってほしくないと思います。いろいろなメーカーがあり、そのいろいろなピアノを選べる状況が業界としては健全だと思います。(すでに中国も上位6-7社に絞られてきているという話も聞きます)
今年のメッセの結果報告を聞いたら、また何か書きたいと思います。