2008.02.26 お客様宅で
最近お客様宅へ調律、調整に行くことが増え、到着直前に道に迷ったり、調整に自分の予想時間をこえてかかってしまったり、いい意味で緊張しています。
この前プレイエルを調律に行った折り、自分ではあまり気にしていなかった調整時の後ろ姿をお客様がお撮りになっていたようで後日送っていただきました。「こういう感じなんだー」と妙に感心して眺めました。
以前先輩技術者に、「お客さんは調整時には後ろ姿を見ているから、常に緊張していないと」と注意されたのを思い出しました。今まで音や調整の具合に気を取られ、けっこう焦って見苦しい姿になっていることもあったのかなと思います。
後ろ姿にまで気を遣うというか緊張して仕事をしている人は、モデルさんや芸能人の他にどういう仕事があるのかな?とあらためて考えました。特に自分は初め緊張していても、徐々にそういう雰囲気に慣れてくると、周りの目や状況を気にしなくなりがちです。
お客さんと調整の内容、意味など話しながら手を動かすということに慣れていけば、自然と落ち着いた後ろ姿になるのでしょうが、やはりまだそこまでの余裕がなく、ついつい自分の世界に入ってしまいます。余談ですが、その先輩技術者は慣れすぎて、無意識のうちに調律が終わっていたこともあるというつわものですが、さすがに焦ったと話していました。まあそこまでくると逆にたいしたもんだとも思いますが。
ちなみにドイツ語で「後ろ姿」はder Rueckenといい「裏側」という意味です。「後ろhinter」ではなく「裏rueck」という表現が興味深いです。人の裏側を表す「後ろ姿」、緊張します。
自分の理想は、「調整・調律時にその内容をお客さんに説明しつつ、理解していただき時間内に作業を終え、その効果で感動を与える」ことだと思います。もちろん時間的制約があるので、いつも自分が満足いく調整ができるとは限りませんが、お金をいただいて作業をするわけですから、「感動を与える」ということは常に考えています。ピアノは他の楽器と違い、技術者の占める割合が非常に高いので、定期的な調律・調整の重要性を伝えていきたいです。どういう状況でもその時のベストで臨み、効果を上げられるよう努力していきたいと思います。

5月の杉並公会堂でのベヒシュタインD280を使った演奏会で好評を博した内藤晃さんの演奏会が再び、杉並公会堂で開催されます。もちろん使用ピアノは今回もベヒシュタインD280です。
2月のセカンドサンデー・コンサートはヴァレインタイン・デーにちなんで、ロマンティックなプログラムでおおくりします。


















