2008.05.20 相当古いピアノ
先日私用で松本に行ってきました。
その時に旧開智学校を見学し、思わず日本の古いピアノに出会いました。
明治6年(1873)に開校、明治9年に校舎が新築され、昭和38年(1963)まで90年間使用されていた、日本で最古の小学校の一つだそうです。

校舎の展示室に一台の古いピアノがありました。NISHIKAWA & SONSという日本のピアノ作りの礎となったメーカーのものでした。1918年のもので現在は弾くことができないようでした。こっそりと音を出してみたいという衝動に駆られましたが、ぐっとこらえました。外の風貌を見ても貫禄があり、当時はほしくても手が出にくい価格であったろうと想像しました。西川ピアノの西川虎吉、日本楽器(現在のヤマハ)の山葉寅吉と日本のピアノの基礎を作った両名が「トラ」という名がはいっていることが以前から気にはなっていて、生まれた年の干支かな?と思ったのですが、西川虎吉が1849年、山葉寅楠が1851年の生まれなのでどうも違う。当時の男の名前には「トラ」が多かったのかな?と考えることにしました。日本のピアノ作りの歴史は「日本のピアノ100年」(草思社)にくわしいです。
今、東京ショールームにはそのNISHIkAWA & SONSよりも古いベヒシュタインのピアノ、モデル8があります。1898年の製造ですが、再塗装、ハンマー、弦など消耗部分は交換し、今でも枯れた渋い音が魅力の楽器として弾くことができます。110年前のピアノが約300万円で現在も取引きされているのは、その希少価値もありますが、何より楽器として弾き続けられるという丈夫さへの評価の表れでしょう。象牙の鍵盤に指をのせてみると、現代の楽器には得られない「時代の音」を感じることができます。19世紀末のべルリン、ドイツはどうだったのか?ちょっとその歴史を調べてみたくなります。もちろん新しいピアノには新しい音がふさわしいですし、古い楽器では激しい表現は難しいかもしれません。しかしヨーロッパの楽器は確実に時代の音を背負って、発展進化してきています。各メーカーの楽器を弾く時に、その歴史的背景、時間を感じることができればもっと演奏、練習が楽しくなるのではないでしょうか? 今なら比較指弾もできるので興味深いと思います。






